働いたら自分の年金が減る?!”在職老齢年金”を具体例で解説!【前編】

社労士(全般)
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仕事をしながら、厚生年金を受給する人のうち約3割の人が年金を減額されていることを知っていますか?

これは日本の在職老齢年金制度】によるものです。

 

特に高齢で収入が多い会社役員の方はこの影響を大きく受けてしまい、

減額どころか1円も年金をもらえない方も多くいます。

 

この記事では【在職老齢年金】について具体例をつかって分かりやすく解説していきます。

 

  *会社役員(報酬)も従業員(給与)も同じ仕組みが適用されます    

在職老齢年金ってなによ?

 

すごくざっくり言うと、 60歳以降の人が働いた場合に、

その「勤務先からの給料やボーナス」と「年金」の額に応じて

受け取れる年金(老齢厚生年金)の額が減額される制度です。  

なんと、給料の額によっては年金の全額が支給停止されることもあります。  

 

その減額・支給停止の具体的な仕組みはその人の年齢によって、

60歳代前半[60歳~64歳]と65歳以降の2パターンあります。

 

次はその内容を出来るだけ簡単にお伝えします。

〔60歳代前半〕在職老齢年金の仕組み

仕組み(ざっくり)

 

年金・給料・ボーナスの関係は次のとおりです

 

◆減額なしとなるとき(年金の全額を受け取れる) [年金の月額]+[給与・賞与の月額]= 28万円以下
◆減額されるとき(28万円を超えた額の半分を年金から差し引かれる) [年金の月額]+[給与・賞与の月額]=28万円超
注)年金の月額(=基本月額といいます)とは:
 特別支給の老齢厚生年金の年金額 ÷ 12 の金額 (加給年金額は含めない)
注)給与・賞与の月額(=総報酬月額相当額といいます)とは:
 標準報酬月額 + その月以前1年間の標準賞与額の総額 ÷ 12 の金額

  つまり、貰えるはずの年金と給料とボーナスの合計額を月額換算してみて、

28万円を超えるかどうかがキモなんですね。  

 

ちなみに、この壁となる[28万円]ですが、 2022年4月より緩和され[47万円]に変わることになっています。  

 

60歳台前半の在職老齢年金制度が見直しへ。 出典:ファイナンシャルフィールド https://news.yahoo.co.jp/articles/283e5ecc15c99b81a6a68ff4305a5178cfce471e

〔60歳代前半〕いくら年金が減額されるの?(計算方法)

減額される年金額の計算式はコレ↓です

 

{(年金の月額+給与・賞与の月額)-28万円}×1/2

 

これに当てはめて、具体例で実際に計算してみましょう  

◆具体例1
・65歳未満の会社員(または会社役員)
・年金は120万円(/年)
・給料は16万円(/月)
・過去1年間にもらったボーナスは48万円

① まず、[年金][給与][賞与]を月額に直す

年金の月額→10万円(120万円÷12) 給与の月額→16万円 賞与の月額→4万円(年間ボーナス48万円÷12)

② [年金][給与][賞与]の月額合計が、28万円を超える額を確認する

①の3つを足すと「30万円」なので、28万円を超える額は『2万円』

③ 28万円を超えた額の半分が年金から差し引かれる

『2万円』× 1/2=1万円

  ↓

  年金の月額は、本来の10万円から1万円を差し引かれ、9万円になる

  つまり、

  年間120万円もらえるはずの年金が、108万円(▲1万円×12ヶ月)となる

 

  次は、役員を想定して給料(報酬)を46万円もらっている人で計算してみます  

 

◆具体例2
・65歳未満の会社員(または会社役員)
・年金は120万円(/年)
・給料は46万円(/月)
・過去1年間にもらったボーナスは48万円

  ① まず、[年金][給与][賞与]を月額に直す

年金の月額→10万円(120万円÷12) 給与の月額→46万円 賞与の月額→4万円(年間ボーナス48万円÷12)

② [年金][給与][賞与]の月額合計が、28万円を超える額を確認する

①の3つを足すと「60万円」なので、28万円を超える額は『32万円』

③ 28万円を超えた額の半分が年金から差し引かれる

『32万円』× 1/2=16万円

  ↓

  年金の月額は10万円から16万円を差し引かれ、0円になる

  つまり、

  年間120万円もらえるはずの年金が、全くもらえないことになる  

 

なんということでしょう。

これまで一生懸命働いてきて保険料もたくさん払ってきたというのに・・!

 

  いーじゃん!となるわけです。

 

ということで、ここまでが60歳前半の在職老齢年金の解説です。

引き続き、次回の記事で65歳以降の在職老齢年金を解説していきます。

(休憩)働く人の年金の実態。専門家へ相談も◎

  働けば働くだけ給料をもらえる。

でも給料が増えれば増えるほど、もらえるはずの年金が減っていく。

この都市伝説(?)の解説【前編】でした。  

 

次回の記事では【後編】として65歳以降の在職老齢年金を解説します。

 

会社役員など給料(報酬)が高い人は、65歳未満だと年金は0円も受け取れず、

65歳以降も、老齢基礎年金とわずかな経過的加算のみを受給されている人が多くいます。

 

ですので、出来るだけ在職老齢年金による支給停止がかからないようにするにしたいですよね。

 

特に停止額が大きい会社役員の方の場合、手取り額を下げずに老齢厚生年金も全額受け取れることも可能です。  

そのような知識がある社会保険労務士に相談してみることがその大きな一歩ではないでしょうか。  

 
 
 
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